先日、私たちのジュエリーを製作研究している場所の一つである富士吉田のLABOにてジュエリーの制作工程の取材をしていただきました。
なかなかジュエリーの製作をしている風景というのは見る機会が少ないかと思います。
皆様がジュエリーを見るときは、完成品としてのジュエリーを見ていただくのですが、ジュエリーを作る過程にも様々な苦労や感動する場面がいくつもあります。
今回は、そんなジュエリーを製作するために必要な道具たちにフォーカスしてお伝えさせていただければと思います。
上の写真にある道具は、超硬ヘラという道具になります。ジュエリーの製作上欠かせない道具の一つです。
ジュエリーの制作というと機械で製作するイメージを持っている方が多いかもしれませんが、私たちのジュエリーは、ほとんどの作業が手仕事で作られています。モノづくりとしては工芸品に近いかたちです。
超硬ヘラは、『地金の締め』と『表面磨き』の大きく分けると2つの役割をもった道具です。
『地金の締め』としては、鋳造後に発生する地金の表面にある巣穴や小傷を取り除くために、超硬ヘラを何回も何十回も様々な角度から押し当てて、地金を締めて硬くしていく作業です。
『表面磨き』としては、バフ研磨では取り切れない微細な傷を消したり。細部の仕上げとして、バフが入らない石座の際や細かい隙間を磨くことが出来ます。
超硬ヘラで磨かれた表面の鏡面光沢は落ち着いた雰囲気の深みのある光沢になるのも特徴です。
写真にある超硬ヘラは、先端部分の形状が何種類かありますね。これは、様々なジュエリーの形状に対応するために、職人が自ら道具を加工し道具自体も作っていきます。
ジュエリーの道具は、各種メーカーさんが出しているものをそのまま使うこともありますが、職人たちはその道具をさらに自分自身で加工し、ジュエリーに最適な形状や自分たちが使いやすい道具に仕上げていくのも特徴的です。
道具の美しさにフォーカスされることは少ないですが、先端部分の銀色の青みと深みのある色合いと輝きは何とも言えない『道具の美』を感じることが出来ます。職人たちは道具のメンテナンスも日々時間を掛けて欠かさず行っています。目に見えない細かな製作風景の一つには様々な苦労や想いが込められています。
ジュエリーは高いというイメージも多くありますが、大きくは素材価値や地金の高騰の割合が多くを占めております。私たちが作り出すジュエリーの価値は、素材価値だけではない、モノづくりとその過程における付加価値も一緒にお伝えしていければと思っております。
今後も、道具の探訪や道具の美しさなど、ジュエリーを『かたちづくるもの』たちをフォーカスしてお伝えできればと思います。