2026/05/24 15:28

5月の連休、石川県・小松市にある CERABO KUTANI を訪れました。

九谷焼の文化や技術、素材を未来へ繋ぐこの場所では、製土工場やギャラリー、イベントスペースがひとつの空間に共存していて、器が生まれる背景そのものに触れることができます。 
ちょうど訪れたタイミングでは、窯元に眠っていたデッドストックの器を集めた蚤の市 「KUTANI BASE vol.11 DEAD STOCK MARKET」も開催されていました。 

並べられた九谷焼の器たちは、どれも少しずつ表情が違い、均一ではない美しさを持っていました。 

鮮やかな色絵。 
繊細な筆の揺らぎ。 
釉薬の滲みや、焼成によって生まれる偶然の景色。 

大量生産では生まれない、人の手の温度を感じる器ばかりで、気づけば時間を忘れて見入っていました。

その中から、自宅でお茶菓子を載せるための小皿や、お茶やコーヒーを飲むためのカップをいくつか購入しました。 

毎日の何気ない時間の中で使うものだからこそ、手に取った時に少し気持ちが整うものを選びたい。 
そんな感覚は、ジュエリーを選ぶ時間ともどこか似ている気がします。 
 
また、イベントスペースで開催されていた 『九谷焼と金継ぎの世界』(4/26 – 5/17)の展示もとても印象的でした。 絵付けに使用される筆や顔料、焼成工程の資料、修復の道具たち。

完成した作品だけではなく、その背景にある工程や積み重ねを見ることで、
器の見え方がまったく変わっていきました。 特に心に残ったのは、金継ぎという文化の考え方。

割れや欠けを隠すのではなく、その痕跡ごと受け入れ、新たな景色として美しさへ変えていく。
完璧なものだけを美しいとするのではなく、時間や傷さえも価値として残していく感覚に、深く惹かれました。

それは、ALLISがジュエリーを通して表現したい価値観にも、どこか通じている気がしています。 
永く身につけることで少しずつ馴染み、傷や経年変化さえも、その人だけの表情になっていくこと。
完成した瞬間が終わりではなく、そこから時間を重ねることで完成していくこと。 


石川県で出会った九谷焼の器たちは、単なる「もの」ではなく、暮らしの時間そのものを豊かにしてくれる存在でした。 そして、その静かな余韻は、これからのALLISのものづくりにも、少しずつ影響していく気がしています。 

最後に、今回迎え入れた器たちを。 日々の暮らしの中で使いながら、 長く愛されるものとは何かを、改めて考えています。